ずっと前から気になっていた日本橋馬喰町の「アントシカダ」さんについにいってきました!
以前から虫食に興味があり、お店に行ってみたかったもののなかなか一緒に行ってくれる仲間を見つけられずにいたためなかなか行くことができなかったのですが、虫食に興味のある会社の後輩がいたので行くことができました。
今となってはくよくよせずに一人で行けばもっと早くお店のすばらしさに気づけたのに、と思います。
お店の雰囲気はこんな感じですごく高級なお店に見えます。
階段手前の木で出来た取っ手があるところが入り口。めちゃおしゃれ。
店内は結構暗め。
コの字型のカウンター席のみ。予約していた時間の少し前に到着しましたが、すでに自分達以外のお客さんはすでに着席していました。
まずはメニューが配られます。
今回はアルコールペアリング(ノンアルコールもある)の一人11000円のコースを予約していました。
料理もお酒もどれも気になるものばかり!
「食は作業ではない、冒険だ。」
金言です。
まず初めは
コオロギ出汁のスナック
サクサクのポテトチップスにコオロギの出汁で作った粉末が振りかけられています!
味は少しビター感のある塩味!ビール飲みたい!と思っていたら・・・
フタホシコオロギのビール
コオロギのビールってどうゆうこと!?とにかく飲んでみなければ!といつもの調子でゴクゴク飲んでみるとめちゃうまい!
麦のいい香りに黒ビールのような香ばしさ。
ジョッキで飲んでみたいくらいでした(笑
ポテチとの相性最高です。
お次は
カブのオデン
こちらはコオロギの出汁で4,5時間炊いたとのこと。
普通に高級感のある和食のお味。
寒い日だったこともあって、温かい料理はありがたい。
ここまで3連続でコオロギ由来の料理ですが、どれもおいしい!
そして
稲とコウジ 2022(稲とアガベ/秋田)
熱燗!おでんに合うに決まっている(笑
というか米を使っていないコウジだけの日本酒って初めて・・・。
しかも地元の秋田県の蔵元。驚きました。
そしてジップロックに入った、今日のお料理等で使われている食材のコオロギがお目見え!
産地とか書いてて本格的。
自分は虫の耐性があるので、もはや「うまそうだな」としか思わなくなってきましたが、苦手な人には厳しいだろうなぁ。
続いては
こおろぎチップ ウニ 塩
ウニ!!!!まさかウニが食べれるなんて!
スポイトに入っているのはなんとコオロギから作った醤油とのこと。
醤油だけを手にとって味わってみましたが、これまたおいしい濃厚な醤油。
コオロギの醤油をつけたウニ、こんな合わせ技を体験できることが嬉しい。
こちらがそのお醤油。
今度買ってみてお刺身とかと合わせてみたいかも。
そしてやってきたのがなんとオシャレな!
イナゴ、ハーブ、カリフラワーペーストのリゾット、春菊の泡乗せ
春菊の泡だったのか。いや、春菊の泡ってなんだ??(説明を聞き逃した・・・)
泡をかき分けるとイナゴ発見!面白い!お料理の名前の”草陰”とはまさに。
そしてカリフラワーペーストのリゾットうまい~。複数のハーブの独特な味わいも混ざってすごく自分好み。
そこにイナゴの醤油系?の味がさらにマッチしてます。
イナゴの味付けはどうやっているのか聞いてみたところ、こちらもイナゴでできた醤油を使っているとのこと!こだわりがすごい。
そして本コースでこちらのお料理が一番好きでした。
このお料理には新潟で作られているクラフトジンのジントニックがペアリング。すっきりさわやかでした。
続いてはメニュー表でとても気になっていた
セミの気持ち
穴の開いた木の筒と、シルバーのストローがセットでやってきました。
これがなかなか面白くて、ストローを筒の穴にさして中に入っているものを吸ってみるというもの。
ハズレの穴があったりと、リアルなセミ体験ができます。
「中に入っているものを当ててみてください」との店員さんからのクイズもあり、お客さん全員参加で予想しました。
答えはあえて書きませんが、2種類の飲み物が中に入っていました。どちらも正解できず。。。実際に正解できる人は10%未満とのこと。しかも正解者は一般の人が多いとのことで驚きました。
そしてオシャレ料理がやってきました。
セイロで蒸した茨城県産の鯉 バター、きゅうり、ナス、ミョウガ、ハーブ
シンガニ(ボリビア産のマスカットを使った蒸留酒)
アントシカダさんの料理は全体的にかなりオシャレですが、その中でも特に美しい。
鯉って食べたことないかも。バターソースがうまい。
そして旨そうな肉!
鹿の背中ロース ムール貝の出汁 もみの木
ここまでコオロギを食べたり、イナゴを食べたり、セミの気持ちになったり、オシャレな鯉を食べて、ついに鹿にたどり着きました。
ジビエは大好きなのですが、このムール貝の出汁うま!
そしてカウンターに現れたコオロギ達・・・。
いったい何に使われる???
アントシカダの名物 100%コオロギラーメン
アントシカダでは夜のコース以外に、お昼はコオロギラーメンの販売をしているそうです。
お昼のコオロギラーメンは昆布やシイタケを使って出汁をとっているそうですが、夜のコースのための特別なコオロギラーメンとのことで、昆布やシイタケを用いず、出汁、タレ、油はすべてコオロギ由来で、麺にはコオロギが練りこまれた100%コオロギラーメンとのこと!
「コオロギ100%てどんな味なんだ・・・・」と思ってスープを飲んでみたところ、めっちゃうまい醤油ラーメンの味で驚きました。
この日一番の感動でした。コオロギの力でこんなにうまいラーメンができるなんて・・・。
乗っかっているコオロギもエビのようでうまい!もうこれ黒いエビだ。
そしてデザートタイムに入ります。
メニュー表で一番気になる存在だった
フェモラータオオモモブトハムシ
です。料理がでてきたときはいったいこれはなんだ??という感じでしたが、よく見るとスプーンのゼリーの中に幼虫が!!!
人生初の幼虫食・・・・しかしゼリーで包まれていることもありなんの抵抗もなくパクリ。
「おや・・・杏仁豆腐の味のゼリーだな。幼虫ってやっぱり皮の食感があるんだなぁ」とか考えてたら、店員さんから衝撃のお話「ゼリーに味はついていません」
!!!????
なんと、このフェモラータオオモモブトハムシの幼虫は、茹でた後に数日冷蔵庫で冷やしておくと杏仁豆腐の風味になる不思議な幼虫さんだそうで、この日一番の驚きでした。
杏仁豆腐味の虫がいるなら、他にもおいしい虫がたくさん存在しそうだな、と期待も高まりました。
最後の料理になりました。ここまで来ると期待と衝撃の連続で、あーついにコースが終わってしまうのか、とさみしい気持ちに。もはや完全に虜になってました(笑
なんかオシャレなデザートがきたなぁと思ってましたが、メニュー表を見ると
タガメ、ふきのとう、ハナグモリ
とのこと。タガメ???
と思っていたら、このデザートにソースがかけられました。青りんごのような、洋ナシのようなさわやかないい香り。
「このソースの香りは、タガメの出すフェロモンの香りです」
最後の最後にさっきの杏仁豆腐以上の衝撃が。
タガメってこんなにいい匂いするのか。実物もやってきて匂いをかぐと、めっちゃさわやかないい匂い。
女性客の一人が、「イケメンの匂い」と(笑
驚きと感動の連続でとても素晴らしい体験ができました。
めっちゃ視野が広がりましたし、これからの虫食に対する期待でいっぱいになりました。
お客さんの半分以上が女性客だったのが意外でした。一人で来ている女性の常連のお客さんもいて、お話を聞いたところ、「季節ごとに料理が変わるので楽しい」とのこと。
今回は冬だったので、次は春や夏にも来てみたいと思いました。
ペアリングしたドリンクの紹介が後半はできなかったので、次はしっかり写真におさめて、店員さんの説明も聞き逃さないようにしたいところ。
近い将来、食料不足になることが世界の課題ですし、その課題解決の最先端として虫食がもっと認知されていけばいいなと感じます。
そのまま食べるってのは抵抗がある人が大半だと思いますが、醤油だったり粉末だったり、これからいろんなところで使われていったら、偏見も無くなっていって、じょじょに浸透していくかな。
楽しくおいしくいい人生経験が積めたと思いました!
また来たいと思います。ごちそうさまでした!
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